〈解説〉不偏推定量

推定量

母集団の特徴を表すパラメータ(母平均、母分散など)を推定するために利用する標本統計量を、推定量といいます。標本平均、標本分散などが推定量の例です。

不偏性

ある推定量 \(\theta\) の期待値が母数と一致する性質を不偏性 unbiasednessといい、不偏性を備えた推定量を、不偏推定量といいます。
母集団分布にしたがう、互いに独立な確率変数 \(X_i\) があるとき、その平均 \(\bar X = \frac1n \sum X_i\) および(偏差平方和をn-1で割った)分散 \(u^2 = \frac{1}{n-1} \sum (X_i-\bar X)^2\) は不偏推定量です。

〈使用方法〉統計量に不偏性があるかどうかをシミュレーションする

母集団分布

母集団分布を、正規分布(平均0、標準偏差1)、t分布(自由度4)、一様分布(範囲-3~3)から選びます。各分布のパラメータは固定されています。

不偏推定量候補

不偏推定量の候補として、平均、分散(偏差平方和を[n-1またはn]で割った値)、標準偏差([n-1またはn]で割った分散の正の平方根)を取り上げ、それぞれが不偏推定量といえるかどうかを考えます。

サンプルサイズ

標本として抽出するサイズを指定します。抽出した標本から上述の5つの統計量を求める作業を、指定回数繰り返します。そして、それぞれの統計量の平均値を求めます。不偏性がある統計量であれば、統計量の平均値が母数に近い値になるはずです。

所要時間は、繰り返し回数1000で約70秒です(Windows10, Core i7, Chrome 124 で測定。ご利用の環境に依存します)。

〈学習課題〉統計量の不偏性を確かめる

  1. 3種類の分布のどれを選んでも、「標本平均の平均値」のヒストグラムの形はよく似たものになります。サンプルサイズを同じにして、分布だけを変えてこのことを確かめましょう。
  2. サンプルサイズを変えると、標本平均や分散、標準偏差の平均値のヒストグラムの形は、どのように変わるでしょう。分布を固定して、サンプルサイズが小さい時(4あるいは5)と比較的大きい時(20あるいは25)とで比較してみましょう。
  3. ローデータをつかって、それぞれのサンプルの統計量(平均、分散、標準偏差)を算出して、それぞれの平均値を計算してみましょう。画面に表示されたシミュレーション結果と一致することを確かめましょう(画面表示は、結果を小数点以下3桁で丸めていることに注意してください)。

設定と実行

母集団分布:
サンプルサイズ:

繰り返し回数