〈解説〉確率変数の性質

確率変数

確率変数とは、ランダムに値が決まる変数のことです。ただし、値の決まり方に確率的な法則を仮定しています。この法則のことを確率分布といいます。

確率分布

確率分布とは、確率変数の値の決まり方についての法則です。
例1:(離散一様分布)サイコロをふったときの目の数を確率変数と考えると、1~6がどれも同じ確率で出ると考えられます。ただし、0や7は出ませんし、1.5や2.4なども出ません。
例2:(正規分布)高校3年生の生徒の身長を確率変数と考えると、高校3年生の生徒をランダムに選んだ時、160や165くらいの値は出やすいですが、130や200といった値はあまり出ないだろうと思われます。
このように、値の出やすさを確率で表現したものが確率分布です。

確率分布の可視化

確率分布を表した数式や、確率分布を可視化したグラフが、統計学の教科書にのっています。本サイトでは、確率分布で仮定された「値の出やすさ」にしたがって乱数をたくさん発生させ、その乱数のヒストグラムを描くことで、確率分布を可視化します。

〈使用方法〉

確率分布の選択

確率分布を、ベルヌーイ分布(コイン)、二項分布(2回以上のコイン投げ)、正規分布、一様分布から選びます。分布を選ぶと、パラメータについての説明が表示され、パラメータを設定することができ、乱数の生成ができるようになります。

グラフ最適化

正規分布、一様分布を選択したとき、グラフを最適化するかどうかを選択できます。初期状態は最適化OFFで、パラメータによる分布形状の変化が見やすくなります。最適化をONにすると、出現確率の高い部分がより見やすくなるように座標軸を自動で設定します。

乱数の生成

指定した確率分布とパラメータにしたがう確率変数を生成します。乱数を1つ生成をクリックすると、実現値が1つ得られ、その時の値が表示されます。繰り返し回数を指定して乱数を連続生成をクリックすると、指定した回数だけ乱数の生成を繰り返します。終了すると、ローデータを提供します。また、正規分布と一様分布を選択した場合、生成した乱数のヒストグラムを描きます。

所要時間は、繰り返し回数1000で約70秒です(Windows10, Core i7, Chrome 124 で測定。ご利用の環境に依存します)。

〈学習課題〉確率変数の性質

  1. 分布をパラメータをさまざまに設定して、乱数を生成してみましょう。生成された乱数のヒストグラムが、表示されたグラフの形状に近いことを確かめましょう。(繰り返し回数2000以上がおすすめです)
  2. 乱数を1つだけ生成したときの実現値は、たまたま得られる値、いわばその瞬間の「確率変数の仮の姿」であって、その値が分布の中心に位置するとは限らないことを実感しましょう。
  3. 確率変数、確率分布について、自分の言葉で説明してみましょう。

設定と実行

確率分布

 または  繰り返し回数